ハイパー開口部

2008年に「道路照明施設設置基準・同解説」、「道路・トンネル照明器材仕様書」が改定され、橋梁・高架部に設置される照明柱には、耐振動対策として応力集中を緩和した構造を、必要に応じて採用することが規定されました。
当初から応力集中を緩和した開口部の開発が望まれていましたが、丸一鋼管ではこの製品実用化に成功しました。

やさしい 強い 新構造!!
新構造
溶接レスによる一体型構造
(CO2の削減)

補強枠はポール本体と一体構造となっており、溶接部分が全く存在しないため、ポール本体と補強枠の交差部分は非常になめらかです。開口部の上下部分は円弧上の曲率をもっており、標準型のコーナーRを最大限大きくした構造です。この構造は各コーナー部に発生する応力の低減効果を狙って設計されています。また、溶接レスにより、年間18,000本生産した場合、標準型と比べて4,950kgのCO2削減が見込まれます。これは杉の木約950本分に相当します。

曲面構造による応力集中の緩和

ハイパー開口部の構造は、開口と補強枠が溶接レスの一体構造であり、角張った個所がない曲面構造であることから、応力集中が緩和されていることを示すものです。荷重と鋼管先端たわみの関係から、設計荷重を付加した場合、ハイパー開口部が標準型と同等以上の強度を有していることを確認しています。

曲面構造による高い安全性

一般に普及している開口部は、開口部上端に庇があり、また補強枠の外形が長方形で、コーナー部が角張った構造となっています。照明ポールの開口部は、その設置位置が歩道面か750mm前後の高さが一般的であり、歩行者が接触しやすい環境にあります。コーナーに丸みを持ったハイパー開口部は、歩行者が触れても怪我の危険性が少ない、人にやさしい構造となっており、バリアフリー対策として有効です。さらにポール柱脚部をハイパーベースとし、ハイパー開口部と組み合わせた構造にすれば、歩道・車道の景観向上とバリアフリーを目的としたトータル設計が可能となります。

標準型を上回る構造強度
NETIS登録No. KK-11025-A

ハイパー開口部と標準開口部の強度を比較するため、FEM解析を行いました。応力の高い部位は、曲げ荷重ケースおよびねじり荷重ケースともに、開口コーナーR部近傍であることが確認されました。(図-1、図-2)このコーナーR部の応力値について、ハイパー開口部は標準型開口部に比べて大きく低減されていることを確認しています。

図―1 ハイパー開口部
ハイパー開口部
図ー2 標準開口部
標準開口部
ハイパー開口部試験体
ハイパー開口部
標準型開口部試験体
標準開口部

ハイパー開口部および標準型開口部の試験体についても、本体開口4隅のR部近傍を重点にひずみ計測用ゲージを貼付し、鋼管表面のひずみの変化を観察しました。(図ー3)

図ー3 曲げ試験結果
曲げ試験結果
標準サイズ表
標準サイズ表