お客様のニーズにあわせた耐食性や外観の美しさなどを実現するため、鋼板や鋼管の表面処理加工を行っています。
丸一鋼管株式会社は、BIECインターナショナル・インク社とのライセンス契約により、鋼管専業メーカーとして世界初となる55%Al-43.4%Zn-1.6%Si合金めっき「AL-Z55(エーエルゼットゴーゴー)」鋼帯を製造し、その極めて高い耐食性能を活かして、鋼管の耐久性を飛躍的に向上させます。
AL-Z55は、Alのもつ耐食性(バリヤー性)と、Znのもつ犠牲防食性の両方の特徴を併せ持っています。
これにより溶融亜鉛めっきの2~6倍、Mg系めっきと同等以上の高い耐食性を発揮します。
AL-Z55を使用した製品として、農芸用鋼管、電線管、足場管、一般構造用鋼管、一般構造用軽量形鋼等があります。
自社の詫間工場鋼帯めっきラインで、めっき鋼帯表裏面に高耐食性ノンクロ樹脂コーティングを施しています。特に厳しい腐食環境に晒される パイプ外面には、パイプ製造ラインで高耐食性ノンクロ樹脂をさらにコーティングして、2層構造としております。ドライタイプのため、べとつかず作業性も良好です。
AL-Z55鋼帯を用いて電気抵抗溶接により製造しているため、内外面ともAL-Z55めっき層があり、長時間赤錆を防ぎます。 鋼管溶接部のビードカット面には特殊な溶射処理を施しているので、鋼管全体として高い耐食性を発揮します。
クロムを全く含まないため、より環境に優しいパイプです。(Nはノンクロを意味します。)
AL-Z55は加工部の耐食性もすぐれます。農芸用鋼管に必要なスエージ加工などを行った部分も、他のめっきと同等以上の耐食性を有することを確認しています。
AL-Z55鋼管は独特の表面(スパングル)と管体マークで識別が容易です。
丸一鋼管株式会社は、自社開発製品「クロムフリー AL-Z55N 鋼製電線管 ねじなし・薄鋼」を製造・販売しています。 耐食性に優れ表面も美しい高品質の溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板「AL-Z55(エーエルゼットゴーゴー)」を母材として使用し、ノンクロ樹脂を2層にコーティングした製品で、環境によりやさしいパイプです。
自社の詫間工場鋼帯めっきラインで、AL-Z55めっき鋼帯の表裏面にノンクロ樹脂をコーティングしたのち、パイプ製造ラインで外面は高耐食性ノンクロ樹脂をさらにコーティング、内面は塗装を施しています。
AL-Z55Nは、従来の溶融亜鉛めっきに比べ、より耐白錆性に優れています。
試験前 | 長期の耐食性 (耐"白錆"性) CCT3サイクル※ |
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AL- Z55N |
良好、ほとんど 変化なし |
良好、ほとんど変化なし | |
溶融亜鉛 めっき |
白錆発生 | 白錆発生 |
※CCT:複合サイクル試験<JASO M609-91>(塩水 / 2時間噴霧 35℃ 5%NaCl・乾燥 / 4時間 60℃ 相対湿度30%・湿潤 / 2時間 50℃ 相対湿度90%を1サイクルとする試験)
めっきはAL-Z55のため、膜厚の厚いどぶ漬け溶融亜鉛めっき同等以上の耐赤錆性があります。
長期の耐食性 (耐"赤錆"性) CCT400サイクル※ |
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AL-Z55 | 良好、ほとんど 変化なし |
良好、ほとんど変化なし |
溶融亜鉛 めっき |
赤錆発生 | 赤錆発生 |
※CCT:複合サイクル試験〈JIS K 5621〉 (塩水:0.5時間噴霧 30℃ 5%NaCl、湿潤:1.5時間 30℃ 相対湿度95%、熱風乾燥:2時間 50℃ 相対湿度25%、温風乾燥:2時間 30℃ 相対湿度25%を1サイクルとする試験)
プレジンクは、広巾鋼帯を連続して亜鉛めっきし、これを高周波造管機にて成形溶接し、外面ビードを切削した部分には亜鉛溶射を施して仕上げております。仕上げまで一貫した自社の工程で処理するので、品質管理が徹底し、材質寸法とも均一な信頼性の高い製品です。
亜鉛めっきは塗装よりも優れた防食性能があります。マルイチプレジンクは内面も亜鉛めっきを施している点が、他社製品と比べて大きな特長となっています。
表面の亜鉛皮膜が均一で、脆い合金層を抑制しているので、加工性が良く、加工に際して母材が破損するまでハク離することはありません。
表面が均一で亜鉛の凹凸が無く、美麗な光沢があります。
鋼管の材質、寸法、形状(角、丸)、および亜鉛付着量などについても多種類の組み合わせで製造しています。
高耐食性樹脂コーティングで、亜鉛の白錆を防ぎます。表面は乾燥しておりベト付きがなく、作業性も良好です。(ドライ処理の適用はサイズの制約がありますので、最寄りの営業所にお問い合わせください。)
溶融亜鉛めっき皮膜には、二つの機能があります。これは塗装に比べて大きな特長となっています。
めっき上層部の亜鉛は空気中の酸素と反応し、緻密な酸化保護皮膜を形成して、内部の亜鉛と鉄地を環境から遮断します。
亜鉛皮膜が何らかの外的要因で傷がつき鉄地が露出しても、その面積が小さければ、周囲の亜鉛が溶出し犠牲的に鉄地を保護します。(犠牲防食作用)
すなわち鉄(鋼)が亜鉛めっきされた状態では、イオン化傾向が卑な金属は亜鉛、貴な金属は鉄となりますので、腐食環境においては亜鉛が溶解し続ける間、鉄地は腐食されることがありませんが、塗装ではこのような亜鉛の犠牲的な効果は期待できません。
外環境との遮へいが破損すると、鉄地内腐食が進行します。
亜鉛が溶出しながら鉄地を保護します。
どぶ漬け亜鉛めっき鋼管は、パイプを製造してから溶融亜鉛めっき槽に浸漬する方法で表面処理したものであります。この場合一般的には表面の凹凸があり、小Rの曲げ加工などにおいて若干注意が必要ですが、亜鉛付着量が多いため特に耐食性が必要な用途、場所には最適です。